年齢ごとの保育
0歳児~2歳児
0歳児
24時間の生活リズムを最も大切にしています。
家庭からの自然な流れの中で機嫌よく過ごすことが情緒の安定につながります。「よく眠り、よく遊び、よく食べる」一日を気持ちよく過ごせる生活のリズムを園と家庭とでつくっていきます。
また特定の人(家庭では父母がそうであるように園では担当保育士)に対して強く感じる愛情的なこだわり(愛着関係)が、後の人に対する信頼感などを築いていきます。そしてその信頼関係を基盤に、さらに人間関係を広げ、意欲的に物事に関わろうとしていきます。安心できる環境の中で、ゆったりと過ごしながら一人ひとりの成長へとつながる遊びを楽しめるように関わっていきます。
1歳児
家庭からの生活リズムはとても大切です。
園で機嫌よく過ごせ、遊びに意欲的になれるには生理的な欲求(睡眠、食事など)が 満たされていることが大切です。
「自分で」「いやいや」と子どもからの発信、自我が芽生える時期。この時期の子どもにとって大切なことは、自律していくことです。そのためには、大人がしっかりとその思いを受けとめることで自分を認めてもらえた安心感が生まれ、やがて相手の気持ちを受けとめる力につながります。
歩き始めたり、位置変換が主になってくるので、自由に動き回れる広い空間で身体を動かしたり、手先を使う遊びをじっくりと楽しめるような環境作りを大切にしていきます。
2歳児
少しずつ生活に必要な行為が身についていきます。
「自分でやりたい」「自分でできる」積極的な気持ちを行動につなげていく時期。まだ個人差があり、その日の体調や気分によってもムラがあるので、その時の気持ちをくみ取りながらさりげなく手伝ったり、最後まで自分でやろうとする時は応援することで「できた!」という喜びが自信に変わり、次への意欲へとつながります。
友達との関わり、興味が出てくる時期です。そばで遊んだり、同じ遊びやごっこ遊び を通して「かして」「かわって」「いいよ」など自分の思いを言葉で伝えていけるような遊びや環境設定をしていきます。
乳児期から幼児期へ
乳児期で個人的に丁寧に育児(保育)され生活習慣が形成されることで秩序が身につきます。情緒が安定し、自律し、自立した子どもは幼児になってより集団的な子どもに育つと考えています。自分から周りの環境に積極的に興味を持ったり、遊びに参加したりしてその中で学習していきます。
3歳児~5歳児
1.人との多様なかかわり
人は、周囲とのかかわりのなかで成長し、世界を広げていきます。異年齢の子どもたちのなかで、小さな子の世話をしたり、がんばる姿を見せたり、小さな子が遊びの邪魔をしても、少し待てる優しさが自然と生まれてきます。きょうだいがいない子どもは、弟や妹に接するような経験を積み、思いやりの心を育みます。また、地域の人々、聖パウロ学園の園児や生徒など、さまざまな人との交流を図っていきます。
2.個を大切に
人は、みんな同じ考えや、同じ成長をするわけではありません。一人ひとりの子には、それぞれ発達のちがいがあります。年齢ごとに、「これが出来て当たり前」「もうこんなことが出来てすごい」などという評価をするのではなく、個の課題をしっかりと見極め、保育していきます。
3.自己肯定感をはぐくむ
愛されていること、やればできるという自信を持たせる。誰かとくらべられ、評価される保育でなく、個々のがんばる力や過程を認め、失敗しうまくいかなくても、丸ごと受け止めてもらえる安心感。それが挑戦する力になり、うまくいかなくても、次に向かえる力になるような保育をしていきます。
年長児の保育
小さな子と毎日かかわることで、自然と子どもたちは関わり方を学んでいきます。それは、保育士が小さな子にかかわるしぐさを見て覚えたり、いっしょに遊んだりするなかで身についていきます。遊びのなかで、ちょっと待つ、壊されそうになったら優しく止める、着替えや食事どきなどに手伝う、小さな子のけんかの仲裁に入る、お姉さんお兄さんになってお世話する、など誇らしく思える機会が増えていきます。また、年下の子からは、憧れの目を向けられ、「じぶんは、すてきだ」という自己肯定感が育ちます。年長後半は、お昼寝がありません。午後からの時間を使い、テーマのある遊びをしていきます。